勝利と敗北

医療ドラマ見てるとひとつ思うことがあります。
それは生きることが正しくて死んでしまうことが間違っているという描き方。
そうでしょうか?
人間いつかは死ぬんです。死亡率上位に交通事故や自殺だってあります。
そんなに生きさせなくてはいけないのでしょうか?患者は頑張らなくてはいけないのでしょうか?。

医療現場で、ありがとうと言われることはもちろん多いです。

でも、やることはやった、患者も頑張った、もう打つ手が無い、つまりどうすることもできない病気も 多いのです。医者として死を迎えるしかなくなった患者さんにありがとうございましたと言われるほど 辛くそして嬉しいことはないと思います。時々亡くなった患者の家族から、患者さんが主治医の先生にとお手紙を戴けることがあります。

死の淵をさまよいながら、こんな私にありがとうを伝えるために、、、

医者はいくらでも敗北感を味わい、自分に嫌悪感を抱きます。
救えなかった、もう少し何か出来たのでは無いかと。
コトー先生(医療ドラマ)の、それでも僕は医者を辞めようと思ったことは一度もないんだ、って言葉。

そうですね。なんで、辞めようと思わないんだろう。

患者が死んだからといって次にしなくてはならないことはいくらでも待っています。
落ち込んだり、眠れなかったり、食事が通らなかったりしている余裕は私達にはないんです。
医師は自分に自信がなくてはいけません。
情熱や他にもいろいろ必要だと思います。

でもね、医師である以前に人間なんだ。

辛いことも悲しいことも悔やむことも喜ぶこともある。

だから、できるだけ頑張ろうと思う。自分の生活をどれだけ犠牲にしなければならないかは
個人の問題だから人それぞれだと思う。でも、白衣着たときは、医者としての責務を果たす。

いい、医者が増えるといいですね。