助けられなかった命

救命病棟24時を見ていると、医者の人なら感じることがあるだろうと思うのだけれど、、、。
助けられなかった命のことをどうしても思い出してしまいませんか?。

言葉に書くと問題かもしれませんが、医者や病院としての技能やレベルが足りなかったからというケースもあれば、受けうる最高の医療を提供しても病気に勝てなかった場合も少なくないでしょう。

最近の医療の発展は著しいものがあります。

内科なのに知らない薬などたくさんありますし(いや、勉強はしてますよw)、知っていても一度も使った経験がない薬なんてもっと多いです。知識も薬効も知っていても、実際に使ったことがないので使えない(自分の技量では使いこなせない?)ようなくすりだってあります。(最近話題のイレッサみたいなのはそうかもしれませんね。内服で気軽に処方してしまった医師がいた結果なのでしょう、夢の新薬は使い方を熟知して使わないとリスクも大きいのです。)

で、
一番最近思うのが、、、検査技術の進歩。(私は内科なのでw)
あの時は助けられなかったけれど、今は診断を付ける技術がある(もちろん保険診療ではない最先端の検査も含めて)って。
検査では診断が確定できない病態というのはやはりあります。
昔は検査しても数日かかっていたものが今は数時間で結果が出せたりということもあります。
画像診断だって、ものすごい進歩です。
何が起こっているのか推測はできても検査結果と合わない、確定診断が付かない、その間にも状態は悪くなっていく、結局診断が付かないまま亡くなられる場合だって残念ながら稀にはあります。解剖の同意が得られなければ、一体何がどうなっていたんだろうっていうね。似たような病態だって診断の結果によっては治療法が大きく変わる場合だってあるんですね。もちろん一番考えられる病態に対して治療はしているんですけどね。

今の検査技術レベルがあったらもしかしたらあの人は救えたかもしれない。

そういったものも出てきています。
もちろん、革命的に治療法や予後を変えるような治療薬(新薬)もありますしね。

もちろん、当時その技術はなかったわけで、今目の前で起きていることを出来る範囲内の検査と治療で対応するわけだけれどね。
それこそ、病気によっては、医療倫理やお金に制限をかけなければ、常識的な医療方法では助からないものまで救うことが出来てしまうかもしれないくらい今の医療は進んでいます。混合診療なんかが認められれば、いや、今でも全額私費医療とかが盛んになれば、、、。

今の医療では救えたかもしれない、もっと長く生きることが出来たかもしれない、もしかしたら今も元気でいれたかもしれない。
言っても無駄な議論なんですけどね。その治療はその時なかったんだから、、、。

薬も検査も進歩して、最近ではあまり重症化する前に決着が付いてしまうことも多くなっています。。。
いい事かどうかはわかりませんが。

おかしいなと思ったら、すぐ受診。
もちろんそうなんですけどね。それが出来たら、、、ねw。